こんにちは、杉山です。
今回は、前回に引き続きインナーマッスルの役割についてお話をさせていただきます。
インナーマッスルの仕事を簡単に申し上げますと、グラグラ、フラフラしない体に、しなやかな動作や姿勢で、座る、立つ、歩くという基礎を固めることです。
これらは前回申し上げたアウターマッスルと協調して行いますが、アウターマッスルは、体幹や四肢の表面を広く覆っているので、とてもわかりやすいです。
たとえば、上肢の上腕二頭筋は、肘をまげて💪力こぶを作って確認できます。下肢のお尻の筋肉の大殿筋や太ももの大腿四頭筋は、膝の曲げ伸ばしなどの動きで確認できます。
一方でインナーマッスルは、表面の筋肉が邪魔でさわりにくく、動作時にもなかなか確認できません。
しかしながら、実際には姿勢の安定にとっても重要な働きをしており、背骨を支えたり、内臓を安定させるなど、立ち座りでの姿勢の維持や、動作時の安定に大きく関係しています。
たとえば、大腰筋は歩行時に骨盤、股関節と連動して、歩行の姿勢を最適化させていたり、腸骨筋とともに腸の蠕動運動を助けてくれています。
高齢化に際して、アウターマッスルの衰えはシルエットにも現れるので、スピードや力の衰えはどなたにも理解してもらえそうですが、インナーマッスルは、意識が向きにくいので、おろそかにされてしまう傾向があります。
世間一般に多く行われている筋トレや体操の多くは、手足を使ったアウターマッスル中心の運動が大半で、インナーマッスルを鍛える筋トレや体操は少ないのが現状です。
運動指導の現場では、見た目のボディメイクに分かりやすいアウターマッスルに偏った傾向があり、インナーマッスルの強化が忘れられているように見えてしまいます。
それが、筋トレや体操で傷つくことに繋がっています。
インナーマッスルがすべてではないですが、ものには順序がございます。
インナーマッスルは木でたとえさせていただくと幹にあたり、アウターマッスルは枝葉にあたります。
ですから、まずは、幹をしっかりとさせたうえで、枝葉を茂らせてゆくという風に考えていただきたいです。
次回は、いよいよインナーマッスルを鍛える方法をお伝えしていきたいと思います。